『蔦重の教え』26期生 車 浮代さん

26期生の車 浮代さんが、飛鳥新書より、『蔦重の教え』を出版されました。同級生が書いた
感想で、本の紹介をさせて頂きます。こんな素敵な本があることを、知ってほしいと思った。


引き込まれた……完敗だった。
同じ場所で、同じ仲間と青春を過ごした女性が、一体どんな文を書くんだ。
興味はそこだった。同級生だからと、甘い点数は付けないぞという上から目線で読み始めたが、
ほんの数ページで、そんな事は忘れていた。
何故なら、私自身が主人公と同化してしまっていたからだ。 途中、何度も涙が溢れ、一人になって
はしゃくりあげて泣いた。ストーリーにも感動したが、台詞の一言一言が、やたらと胸に響くのだ。
思いもよらず、私は孤独で弱く寂しかったのだと気付かされてしまう。
生きていく中で、人は多くを学び成長し、完成していくと勘違いする。自身も社会人となり、
常識だの、知識だの、世の渡り方だのを吸収し、教職に変わってからは、人を教える側になった。
子供ができると、手本にならなくてはいけなくなった。子が成長し、手が離れつつある今、社員をかかえる
身となった。出来上がりつつあると思っていたが、どうやらすっかり思い違いをしていたようだ。
鎧を捨て裸の無防備な状態で、誰かの助言が欲しくて、教えが欲しくて、弱みを解き放ちた
かったのだ。思い知らされた隙間だらけの心に、登場人物達の言葉の数々が素直にしみた。だから、
たまらなく嬉しく、涙が止まらないのだ。
人生の、今この時期に出会えて良かった。まさに、"人生の勘どころ"ってやつを教えても らえる優しさに、
私も見守られている気持ちになった。浮代さん、凄いよ!やられちゃった。

26期生 川本(中岡)由佳里 (掲載開始 2015/4/13)

≪車 浮代≫ くるま うきよ 時代小説家。 江戸文化、特に浮世絵と江戸料理に造詣が深い。
オフィシャルサイト:http://kurumaukiyo.com/index.html